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【ドライバーさん300人に対する意識調査】ガソリン価格の高騰はなぜ起きている?約半数以上が「利用を控えている」という切ない声も

バブル景気とローンのことならロンたす

世界同時多発的な原油価格の高騰により、さまざまな商品やサービス料金が値上げされはじめています。今後も続けば、消費者であるわたしたちにとって、深刻な問題となりえます。ここでは、石油製品の中でも代表的な「ガソリン」に焦点をあて、全国のガソリン事情や高騰の真相を探ります。さらには意識調査を通じ、ドライバーさんたちが抱えるリアルな現状をレポートしていきます。

コロナ禍以前の2倍以上の価格に

2021年の秋頃から、原油価格の高騰に関連したニュースが目につくようになりました。とくに2022年に入ってからは顕著で、3月7日には1バレル=130.50ドルと、2007年以来の高値を記録したことから、大々的に報じられました。
2019年3月時点での価格は1バレル=58.15ドルでしたので、2倍以上もの価格です。

しかし、こうした原油価格の高騰は今回に始まったことではありません。石油産出国の生産量と消費量の需給バランスが崩れることで生じ、悪いニュースとしてたびたび世間を賑わせてきました。


参考:『エネルギー白書2016』(資源エネルギー庁)

価格高騰は主要国の景気回復が引き金

高騰する理由は、いずれも社会的背景に起因するものですが、今回は以下3つが挙げられます。

  1. 脱コロナ社会における消費量の急加速

    新型コロナ感染症拡大によって、世界は戦後最大の経済危機に陥りました。原油の需要が落ち込み、価格も下落傾向でしたが、2021年中盤以降は主要国の景気が持ち直し、一気に需要が増大したことで高騰に繋がりました。

  2. 脱炭素化社会の伸展

    2015年のパリ協定以降、現在120カ国以上の国と地域が、温室効果ガスの排出量をゼロにする「カーボンニュートラル」を2050年までの共通目標に掲げています。このため、温室効果ガスの排出に繋がる原油も減産傾向にあることから、一時的な需要拡大に対応し切れずにいます。

  3. ロシアによるウクライナ侵攻

    ロシアは世界第3位の石油産出国ですが、ウクライナ侵攻に対する経済制裁の一環として、禁輸措置が取られています。日本では石油総輸入量の3.6%をロシアから輸入しているにすぎませんが、欧州などロシア産に依存している主要国も多く、需給バランスが崩れ高騰の原因になっています。

言うまでもないことですが、こうした原油価格の高騰は、原油を原料とするガソリン価格にも大きな打撃を与えます。

第二次石油危機に迫るガソリンの価格

原油はおもに、火力発電所での発電や暖房器具用の燃料をはじめ、飛行機や自動車の燃料、さらにはプラスチックや洗剤といった石油製品の製造などに使われます。

中でも飛行機や自動車の燃料として使われるのは、全体のおよそ4割を占めます。そのため、原油価格の高騰はドライバーさんにとって深刻な問題です。

ではここで、過去4年間におけるガソリン販売価格(レギュラー)の推移を見てみましょう。

WHOが新型コロナ感染症による緊急事態を宣言したのが2020年1月31日。以降、ガソリン価格は下落し、同年5月には1ℓあたり125.7円と底値を打ちました。

その後、ワクチン開発など明るいニュースとともに、2021年1月以降は徐々に上昇傾向へと転換。同年8月にはコロナ渦以前の価格を上回ります。

主要国が一斉に景気を回復したことから、その後も上昇の勢いは緩むことなく、同年11月には168.8円を記録しました。

2022年に入ってからも上昇は続きますが、ロシアによるウクライナ侵攻によってさらに拍車がかかり、同年3月には174.6円となります。これは1982年に発生した第二次石油危機の価格177円に迫る勢いです。

その後は緩やかに下がり出し、6月26日時点の全国平均価格は170.6円と、わずかながら下降傾向にあるように見えますが、実はこれ、正規の価格ではありません。

というのも、現在はエネルギー資源庁が発動した「燃料油価格激変緩和補助金」によって販売価格が抑えられているのです。

止まぬ高騰に対し救済措置が発動

「燃料油価格激変緩和補助金」とは、原油価格の高騰による経済回復の妨げを防いだり、国民生活や経済活動への影響を最小化するための激変緩和措置です。

実際には、「燃料油元売り」と呼ばれる輸入会社に補助金を支給し、小売店での販売価格の急騰を抑制する施策です。

補助金の支給額については、期間ごと原油価格を考慮し調整されます。例えば、2022年6月13日には1ℓあたり39.4円が支給されています。当日の販売平均価格が171.2円なので、補助金がなければ200円を超える計算です。

この「燃料油価格激変緩和補助金」は今年9月末まで発動する予定ですが、終了後も変わらず原油価格の高騰が続いていたら、ドライバーさんたちはさらに大きな負担を強いられることになります。

ちなみに、ガソリン価格は売値すべてがガソリン本体にかかるわけではありません。ガソリン税(暫定税率と本則税率)と石油税も加えた価格です。ガソリン本体の価格はおよそ半分。今回の救済措置は、この税金を引き下げるのではなく、補助金という名目で販売価格を抑える方針のようです。

1240円もの差が! エリアによって変わるガソリン価格

ここまで、ガソリン価格については全国平均価格で表してきましたが、エリアによって十円単位で変わることをご存知でしょうか。

47都道府県におけるガソリン平均価格をランキングにしてみました。

【47都道府県別 レギュラーガソリンの平均価格】(6月13日時点)

47都道府県別 レギュラーガソリンの平均価格 - ロンたす47都道府県別 レギュラーガソリンの平均価格 - ロンたす

出典:経済産業省 資源エネルギー庁 石油製品価格調査「給油所小売価格調査(ガソリン、軽油、灯油)」

ランキングを見てみると、一番安かったのは宮城県の166円。一番高かったのが長崎県で181.5円でした。その差は15.5円です。セダン型の普通自動車であればガソリンタンクの最大容量は50~80ℓ。

仮に80ℓの自動車の場合、満タンまで給油すると1240円の差が出てくることになります。これは自動車をよく運転したり、大型車を所有するドライバーさんからすれば納得のいかない結果だと思います。

しかしなぜ、エリアによってこうもガソリン価格に差が出るのでしょうか。その主な理由は2つあります。

  1. 製油所からの距離

    海外から輸入され製油所に運ばれた石油は、精製されたのち、ガソリンスタンドに出荷されます。製油所からの輸送距離が長いほど輸送コストがかかり、販売価格に影響が出てきます。

  2. エリア内での価格競争

    エリア内にガソリンスタンドが多くなるほど、価格競争が起き単価が安くなる傾向にあります。

ちなみに、日本国内には21カ所の製油所があります。

レギュラーガソリンの平均価格ランキングでは、九州・沖縄エリアの県がワースト圏内に並びました。その理由のひとつとして挙げられるのは、上の図からも分かるとおり、エリア内には大分県の一カ所にしか製油所がないためです。

ガソリン価格の高騰に対するドライバー側の心境は

これまで述べてきたように、ガソリンの価格は、国際情勢や住むエリアによって変動してきます。現在の高騰を肌身に感じているであろうドライバーさんたちは、どう思っているのでしょうか。そこでドライバーさん300人を対象に、意識調査を行ってみました。

Q1. 直近(ひと月以内)のガソリン価格についてどうお考えですか?


「高い」「やや高い」という意見が95%を占める結果となりました。昨今のガソリン価格の高騰を考えると当然と言えば当然の結果ですが、ドライバーさんたちも敏感に反応しています。

Q2.ガソリン価格が高いと感じ、行き先の変更や自動車の利用を控えたことがありますか?(Q.1で「高い」と回答したひとのみ)

ここでは「ある」と答えたドライバーさんは50%強でした。ガソリンの価格が高騰することで、家計を圧迫するばかりか、行動にまで制限がかけられているようです。脱コロナでようやく遠出ができる状況となりましたが、出鼻をくじかれたドライバーさんも多いことでしょう。

Q3.自動車の維持費でネックに感じているものを教えてください。

「保険料」と「税金」、「ガソリン代」をネックに感じている意見が多数を占めました。保険料や税金については自動車を所有するうえでは当然の支出として納得できるものですが、ガソリン代となるとできるだけ安く済ませたいのが本音ではないでしょうか。

価格高騰でひっ迫?! ドライバーさんの懐事情

自動車を所有するためには、上記のような保険料や税金、ガソリン代といった維持費がかかりますが、それ以前に車体の購入費用も発生しているはずです。ローンを組んでいる場合は、毎月の維持費にローンの支払い額も上乗せされることになります。

ここではドライバーさんの懐事情を探るべく、自動車の購入方法や毎月の支払い(ローン)についても切り込んでみました。

Q4.自動車の購入方法は?

「一括購入」が一番多く77%、「ローン」を利用しているドライバーさんは21%、譲渡は2%に留まりました。自動車の平均価格は200万円前後が相場ですので、一括で購入されるドライバーさんが多いのも頷けます。

Q5.ローンの返済期間は?(Q.4で「ローン」と回答したひとのみ)

ローンの返済期間で一番多かったのが「5年」の45%、二番目が「3年」で19%でした。ちなみに「10年」と回答したのは11%。比較的長期でローンを組むドライバーさんも一定数いることが分かりました。

Q6.ローンの毎月の返済額は?(Q.4で「ローン」と回答したひとのみ)

月々の返済額では「2万~3万円未満」と回答するドライバーさんが一番多く、全体的に見て4万円未満が多数を占める結果となりました。とは言え、これに維持費が加わるわけですから、ガソリン価格は安いにこしたことはないでしょう。

ガソリン価格高騰への対抗として「乗り換え」も

これまでの調査によって、やはりガソリン価格の高騰は、ドライバーさんたちにとって大きな痛手であることが分かりました。こうした状況のなか、ドライバーさんたちはどのような対策を考えているのでしょうか。今回、最後の調査の中で浮かび上がってきたのが「乗り換え」です。

Q7.これまで自動車の乗り換えを考えたことは?

「ある」と回答したドライバーさんは70%でした。車体価格は決して安くはない上、納得して購入されたはずです。それだけに、「ある」と回答した理由が気になるところです。

Q.乗り換えを考えた理由は?

ここでは一番多かったのが「古くなり故障が多くなった」の94人でした。次に多かったのが「燃費の悪さを感じた」で73人でした。ガソリン価格の高騰で、より燃費の優れた自動車が好まれる傾向にあるのかもしれません。

まとめ

調査の結果、原油とともに高騰するガソリン価格の問題は、やはり全国のドライバーさんたちの大きな負担になっていることが分かりました。利用を控えたり、行き先を近場にすることで支出を抑える一方で、燃費を抑えるため買い替えを視野に入れているドライバーさんたちもいました。この事態を解決するためにも、一日でも早くコロナ禍以前の社会に戻ること、そして、一刻も早い戦争の終結が望まれます。

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